激情

激情
「君が殺したのか?」 「おっしゃる通りです。私が主様を殺しました」 その言葉を聞いた瞬間、全てを支えていた一欠片のピースが外れた。今までの全てがまるで幻想のように崩れ去っていった。 12月。寒さが身に染みる冬。俺はこの屋敷に捜査官として乗り込んだ。かじかむ手でバリケードテープを潜り抜け白い手袋をはめた。なんでも、この屋敷に住む主人が殺害されたということ。そしてついに俺は犯人を見つけた。まだ報告はして居ないが、本事件の全てを報告しようと用意をしていた。 しかし事態は急変した。俺が今現場に足を踏み入れているのもそれが理由である。 「私がご主人様を殺害しました」 ブロンドの髪をなびかせた若い執事はそう言ったのだ。彼はこの事件の第1発見者であった。そして今自白をした。これほどの証拠となるものは無いだろう。 「君が殺したのか?」 「おっしゃる通りです。私が主様を殺しました」 「どうやって殺したのだ」
維千 / ichi
維千 / ichi
お時間のある時に貴方を1000字の世界へ。 ご高覧いただきありがとうございます。 【人狼ゲーム】11月14日より連載中