みーつけた

「もういいかーい」 返事はない、きっとみんな隠れる場所を見つけたのだろう。 今年から山間の小さな村の小学校に転勤になり、僕は教師として全学年の担任をしている。 全学年とはいえ、たった12人しかいない小さな学校である。 そして休日は、こうやって子どもたちの遊び相手をしている訳だ。 小川に架かっている小さな橋の下、家と家の隙間、お地蔵さんの小屋の後ろ、手当たり次第に探してみるが誰一人として見つからない。 ふと、林の中で誰かが動いた気がした。 僕は駆け足で近寄った。 この林に生えているのはほとんどが竹で、秋にはお年寄りがタケノコを採っている場所だ。
狭霧せいや
狭霧せいや