彼女はバスに乗らなかった。
僕がバス停に行くと、凛と透き通った肌の女性がいた。
彼女はバスに乗らなかった。待っているのは降りてくる誰かだろうか。
その夕、まだいた女性に声を掛けてみた。
「誰かをお探しですか?」
彼女は驚いたように目を丸くして、徐に
「百日紅が咲くのを待っていました」と言って赤らむ雲に消えてしまった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/10/16 13:18
夜ヶ咲
ファインダーの向こう側、ずっと君を探している。/140字小説とその下書き
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