二十五、最後の日
「もう上がっていいよ。」
と彼に促され、私はカウンターを立った。二階に上がり、カメラと三脚をセットして、今日盛り付けるお皿を選んだ。
ランチョンマットをテーブルに敷き、その上にフォークを添え、私は料理に取り掛かった。オーブンのタイマーを回し、飴色玉葱の入ったフライパンにベーコンとマッシュルームを足して炒める。その間にささっと水切りしたレタスを切りお皿に盛り付けた。
ベーコンとマッシュルームに火が通った所で、ボールに割り入れておいた生卵を泡立て、強火にしたフライパンに流し入れるとジュッと卵に火が通る。私は手早く卵を形成しオムレツを完成させた。そしてそれを二つに分けた。途端オムレツの中からトロトロの半熟卵がゆっくり流れ出す。
急いで予め切らずにおいたレタスを敷いた皿にさっと半分のオムレツを乗せ、カメラに向かった。もうピント合わせに梃子摺る事は殆ど無い。私はシャッターを切った。一呼吸置いて、再びシャッターを切った。オーブンからはパンを焼く芳ばしい香りが漂ってくる。
「いい匂いだね。」
彼が上がって来た。後ろのオムレツは彼に任せ、私は小さ目のフライパンに胡麻を入れた。一口大に切ったレタスを大き目の皿に盛り付け、フライパンで火を掛けていた胡麻を炒ると、今度は胡麻の芳ばしい香りがキッチンに拡がる。私は炒った胡麻を粗く摺り、それを手製のドレッシングに入れレタスに掛けた。それから急いでテーブルに置いてカメラに収めた。
「ゆり、本当に手際が良くなったね! 無駄な動きが全く無い
よ。」
「本当? 嬉しい! ありがとう!」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/11/6 13:58
最終編集日時: 2025/1/15 22:33
アナ.
伝えたい思いがあります。
沢山の方々に届きますように。