執行人 #2

執行人 #2
「しかし、とんでもない処刑方法を思いついたよな。人外に殺させるなんて」  ぞろぞろと続く列を眺めながら、マイクはどこか遠い目をして言った。絞首刑でも電気椅子でも、ひとおもいに殺してしまえばいいのにと思っていからだ。しかし、警察内部の一部の人たちは、殺された被害者と同じ恐怖を味合わせてやりたいとかなんとか言い出し、しかも死体処理までしてくれるなんてラッキーじゃん的なノリでこの方法が正式に決定したのだとか。支持率低下がと言っていた割に、大統領然り、アメリカ政府も案外適当なようだ。 「接触した! 周りを囲い始めたぞ。おっ! 覆い被さるようになんかしてるな? ……あれは、もしかして……」  チャーリーもマイクも実際の現場を見るのは初めてである。ナイトマーチャーズは人を食べると話では聞いていたが、かなりの生々しさだったのだろう。双眼鏡を覗いていたチャーリーは見るのをやめ、スッとマイクに手渡してきた。青い顔で口を押さえている。マイクはそれを受け取ると、蟻のような列が群がって膨らんでいる場所を双眼鏡で覗き込んだ。確かにチャーリーの言う通り、覆いかぶさるようにして囚人を襲っているようだ。  しかし……  ここから場所は離れているものの、人外がぐちゃぐちゃと人を食べている音が耳元で聞こえてくる気がしてならなかった。すると、一人の立派な髭面をした男が、何か片手をあげていた。マイクはその先を凝視するように見る。男が手に持っていたものは……  引きちぎられた人間の腕だった。そして、男はそれを口元に持ってくると、執行人たちに見せつけるように美味しそうに食べ始めた。  マイクは慌てて、双眼鏡から目をそらした。腹の奥から熱いものが込み上げてくる。隣にいたはずのチャーリーはすでにおらず、どうやら茂みの奥の方で吐いているようだった。  マイクも我慢できず、茂みの奥に逃げるように駆け込むと、胃の中のものを勢いよく地面にぶちまけた。  奥からふらふらしながらチャーリーがこっちに向かってくる。
YasuAki小説執筆中…(›´ω`‹ )
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