触れられない距離で君を好きになる③

触れられない距離で君を好きになる③
第三章 ――夜の悪化―― ナースコールの小さな電子音が、静まり返った夜の病棟に鋭く響いた。  その音の下で、伊織は澪の手をそっと握り、落ち着いた声で告げた。 「春坂さん、腕をここに。今から採血するよ」  看護師がテキパキと器具を整え、針が肌に触れる。  刺さった瞬間、澪はほんの少し眉をひそめただけだった。  声を上げない強さが、逆に伊織の胸を締めつける。
Lemon
はじめまして。初心者です🔰人生初めて小説を投稿しています。初心者なのでその上で見ていただけると嬉しいです。