隔離
「宅急便でーす!」
目が覚めた。うるさい声だ。チャイムだけで聞こえているというのに。
「…いまいきまーす」
寝起きの声で応える。今日は寒い。羽毛布団から出るなんて真っ平御免だ。
玄関を開く。配達人は既におらず、荷物だけが置かれている。いつもそうなのに、黙って置いて行けば良いものを。
今回頼んだのは当面の水と食料。水は重たい。このアパートは四階建てのくせにエレベーターが無い。私は四階の隅の部屋を借りているため、配達人は苦労するだろう。
いちいちサインをしなくて良くなったのは嬉しい。それまでは配達人が痺れを切らす前にわざわざ体を起こして玄関まで急がなくてはならなかった。少し遅れると不在票が入っていた。
水と食料を冷蔵庫に入れると、風呂が湧いた。昨日の夜入らなかったので丁度良い。今日は朝風呂といこう。
風呂の鏡を見る。随分と痩せた。最近のニュースでは、人はブクブクに太るかガリガリに痩せるかの二極になっているという。
私は後者だ。痩せも太りもしない標準的な人間が極端に減った。生活スタイルが変わると、まず初めに身体に影響が出る。このままだと、人間は簡単に衰退するだろうなと思う。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2022/9/6 14:17
N's
はじめまして。よろしくお願いします。
書いたヤツそのまま投稿したものが多いので支離滅裂かもしれません笑