第二話 捨てられた孤児
僕は捨てられた。何故なのか。ただ用済みとだけ言って僕は殺された。一体なんのために従軍してて、どれだけの人間を葬って来たのか。数えるまでもないけれど、 僕の胸に渦巻いていたモヤモヤは、まるで最初からここで解消される運命だったようだ。
僕は殺されたはず? とかそんなこと今はどうでもいい。これは神が僕に用意してくれた憂さ晴らしの機会なんだ。地面に置かれたのは見たことのない形をしたRT-20の改造版。高倍率スコープを覗けば、なにやら崖の下で中世みたいな鎧をまとった兵士がわちゃわちゃしてる。
使用弾は超小型化された20×110mm APFSDS-T。どう見てもこれ、戦車砲に使う弾の形状してんだよなぁ……。こんなもん使ったら、俺の身体が吹き飛びそうだが……。これはつまり使えってことなんだろう。
僕は明らかにヤバい形状をした弾を装填し、匍匐姿勢から肩に担ぐような形で構える。そして先ずは誰を殺そうかと標的を選んでいると、崖下すぐにいるこの争いの指揮官らしき兵士よりも、さらに丘の下にいる兵士を見つける。
「おいおい……あれってもしかして……」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/5/17 15:33
最終編集日時: 2025/5/17 22:43
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。
基本ライトノベル書きます。
異世界ファンタジー専門です。
執筆歴は10年以上です。