ひとり、キャンドルナイト

ひとり、キャンドルナイト
 キャンドルの柔らかい光が網膜を焦がしている。彼のことならなんでも知ってる。一緒にいた時間がその証拠。だけど、私じゃないんだね。  息に吹かれて火が揺れる。黒い跡がじわりと広がると、夜の壁にぼんやり彼の影を感じた。本当の彼は、ここにいない。振り払う風に、火は白い煙に変わった。
野風 隼人(ノカゼ ハヤト)
野風 隼人(ノカゼ ハヤト)
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