ネカマとjkとボク③完結編

第1章『四年という距離』 春の雨がやんだばかりの午後。 キャンパスの木々がまだ濡れていて、 歩くたびに靴底が柔らかく地面に沈んだ。 たくみは、ノートPCを脇に抱えて、 図書館の奥の閲覧スペースへ向かっていた。 その途中、すれ違った誰かの香りに、
あさき希(あさきのぞみ)
あさき希(あさきのぞみ)
世界観なんてない。 自分らしく生きる羅針盤すらない。 存在を証明する計算式もない 指折り数えること その日を繰り返す為に