140文字の世界② その後

明日、世界が終わるとしたら。僕は君の手を引き、遠くへと行きたい。だってそうすれば。 「君は居なくならずに済むだろう……?」 口唇が震える。それを僕は気の所為だと捉え、前を見据えた。君は何も言わなかった。 「……こんなにも愛おしいと思ったのは。」 僕は。 「君を、」 世界が本当に終わるのなら。僕は何をするのだろう。分からない。分からないからこそ、君に訊ねたのだ。 『居なくなる』 その事実を受け止めるには些か遅すぎた。時は流転する。 いつだって僕を置いて。
井上雛
井上雛
暖かくて儚い、そんな話を紡ぎたい。 閲覧してくれてありがとうございます。 『貴方』に届きますように。 開始 7月13日 2022年。 もう一度会えるのならば。連載中。