短編小説 ウエディング、ヘル。【後編】

短編小説 ウエディング、ヘル。【後編】
南の島の結婚披露宴の特徴は、開場とともに座席に着くと直ぐに酒を勧められる。新郎新婦が入場する前にできあがってしまう招待客も少なくはない。また、招待客が多く、余興も多いこと。よって、披露宴の開催時間が長くなるのだ。  例外なく、そんな慣習を当たり前に取り入れた披露宴は始まった。  ごく一般的はカップルの結婚披露宴は、式次第の半ばを過ぎようとしていた。   「爆竹は大丈夫だな、ロケット花火はどうかぁ?」    キャンドルサービスや、ケーキ入刀も終え、披露宴後半の新郎タクヤの同級生たちの余興が始まろうとしていて、それらのリーダー格であるアキヒトが爆竹とロケット花火を確認した。   「アキヒト、しわさんけー(心配するな)なんくるないさ(どうにかなるよ)」  
H.K
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