天の心のままに【下】
通話を終え静寂が訪れると、そよ風に揺れる草花の歌が鮮明に浮かび上がる。茜色に染まりつつある空を見上げ、考えた。
どうしてこうもままならないのだろうか。
心にずっと残っていた、小さな石。それは蹴り飛ばしてしまうには簡単な小石で、でもどうしてか、蹴り飛ばしてしまうのが嫌な自分が居る。
世界はままならない。決して、自分達の思うようには動かない。人間達が交通手段として活用している文明の英智ですら、それを覆すことは出来なかった。なのに、なのにどうして僕達は…
「おーい、迎えに来たよー」
元気の良い声が耳に届くと、僕はそっと顔を上げる。そこに居たのは、僕にとっての幸運の女神であった。
「ちょっと、また考え事してたでしょ。顔が怖いわよ」
「本当かい、それはすまない。それはそうと、助かったよ」
「良いって、私達の仲でしょ」
「それよりさ」と、彼女は続ける。しかし、その言葉は飲み込むように消え去ると、彼女は一言「行こっか」と言って歩き出した。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/5/20 10:43
じゃらねっこ
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