荒廃したこの世界は今日も美しい・4
《残骸の廃棄場:ダロン視点》
タイプγ。攻めよりも守りの能力に長けており、時には他のデバグロイドを他の攻撃から守備する事もある。
眼前に聳える球体も、そんな防御特化のデバグロイドの一種だ。戦闘経験はあるが、記憶にある個体のうち楽々と倒せた物は一匹もいなかった。つまり、短絡的な意気で倒せる相手ではない訳だ。
いつ先制してくるかと待ち構えていたが、その機械生命体は鉄の積み上がった小山の影からじーっとこちらを見つめるだけだった。
(俺がお仲間を二人ともとっちめたから、警戒してんだな)
とうに機能を停止しているであろうスピード特化とギミックタイプのデバグロイドをそれぞれ一瞥する。
実際の所、それはあり得なくもない話だった。デバグロイドは、基本的に同胞の死を悔やむような真似はしない。そんな命令は下されていないからだ。
その代わりに行うのが、“同胞の死”を基にした相手の実力の算出である。こちらを見たままぴくりとも動かないという事は、簡単な話、ダロンに臆していると捉えて良い。
俺は腰に手を当て、ふうっと安堵を示した。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2025/9/15 14:51
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪
リハビリ感覚でたまに短編を投稿するかもです。
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。