地獄でアイロン掛け極めます!

洗濯地獄の改革を終えた私は、洗濯場の隅に立ち、澄んだ水面を見つめながら深呼吸をした。空気は少しだけ澄み、亡者たちの表情にもわずかな柔らかさが戻っていた。  その亡者達の落ち着いた顔を見ながら、私はアゼルの方へ振り返った。 「……次はどこに手を入れようか?」  改革の手応えに満足しつつ、私は次なる改善の地を探す。アゼルは小さく笑い、少しだけ考える素振りを見せた。 「洗濯地獄の次は……アイロン地獄かな」
佐伯すみれ
初めまして。拙い作家ですがよろしくお願い致します。他にもNola、小説家になろうでも活動しています。