正義はない ― 善と悪、慈悲と虚無のあいだに ―

第一章 秩序という名の暴力 人は混沌を恐れ、秩序を造る。 だが秩序とは、暴力を整然とした形にしたものにすぎない。 法は正しさを保証するために生まれ、その法の下で不正が制度化される。 たとえば、学校で「ルールを守りましょう」と教わるとき、それは善意の教育であると同時に、「従う者」と「従わない者」を区別する行為でもある。 社会もまた同じだ。 法は秩序を守るが、秩序はときに“生き方”を縛る。
鏡宮 風理月
鏡宮 風理月
ASD.ADHD.GIDといった障害を有する当事者です。そのため、誤った表現や表記等があるかも知れません。不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません。