プレミアムサバ缶
これ1缶あげるわ。
実家に寄って母とだらだらとおしゃべりして、いつも通りお土産を渡されて、帰ろうとした玄関で、ついでにと渡されたサバ缶が1個。
「大阪のお義姉さんからお土産にもらったのよ。3缶あるからお裾分け」
青と金のパッケージは高級そうに『プレミアム』と書かれている。
「貰っておいてなんだけど、お土産にサバ缶ってどう思う?そりゃあね、最近サバブームだけどねぇ」
母が不満そうにくどくどと話す愚痴を聞き流して、受け取ったサバ缶を鞄に入れる。
仲が悪いわけではないのだけど、母はたまに叔母や祖父母の愚痴が止まらなくなる。これが小姑ってやつなのかもしれない。
「お母さん、さっきのサバ缶の値段知ってる?」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2021/11/7 2:52
腹黒兎
小説家になろう でも執筆中。
のんびりマイペースでやらせてもらいます。