フレイル=サモン〈CLⅥ〉

フレイル=サモン〈CLⅥ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・護衛隊訓練場〉  ガタイの良いグラストの肩に腕を回し、よろけつつもなんとかに立ち上がる。フレイルは放心状態のまま、虚な瞳をきょろきょろと動かした。 「フレイルくん!」 アンは棒のように突っ立っていたが、はっと我に返ったようにこちらへ跳んできた。誰も咎めなかったものの、以前交わした「仕事中はフレイルくんの事を“フレイル”と呼ぶ」という約束はすっかり忘れているらしい。 「怪我は無い?。まだ痛んだりする?」 「ううん。もう…大丈夫。ありがとう」 フレイルはグラストの肩から手を退けた。彼の方が若干背丈が上なので、傾けた片腕がほんの少し痺れていた所だ。 「グラストさんもありがとうございます。おかげで自分の実力を再認識出来ました」 ぺこりと頭を下げる。アンはそっと胸を撫で下ろした。
クリオネ
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪ ※注釈※ 時折り過去話に手を加える事があります (大きく変えた場合は報告します) 定期的なご確認をお願いします。 novelee様の不具合か、 長い文章の一部が 途切れている場合があります。