第十五話

第十五話
「みんなにはまだ早いかもしれないけど、もうすぐナイト試験、中級・上級昇格試験が始まるわね。」 天眼水晶事件から数週間後、『癒し』の授業後にトパーズさんがそうおっしゃいました。 「あのっ…、ナイト試験って一年目でも受けられるのですか?」 「えっ?受けられるけど…受ける人はそうそういないわね。」 「そうなのですか…。」 頭に天眼水晶事件で出会った、あのお客様の辛そうな顔が浮かんできます。私は、もっと沢山の『人間』の方々を救いたい。話を聞くだけじゃなく、ナイトとして…。 「わ、私っ、う、受けたいです!」 「えっ?ドール、本気?」 ムーンたちが驚いています。 「でもドール、すごく大変なのよ、なにしろ先輩方しかいないんだし…。見習いを三、四年やってから受ける子もいるのくらい、難しいのよ。」
月宮ちさき
月宮ちさき
中学3年生の月宮です。 演劇部 よろしくね。