「少年の日の思い出」続きを考えてみた

 やはり僕の収集は、美しいものとは言えなかった。彼の宝石のようにはいかないが、僕にはこれが世界で一番美しい物に見えた。だがそれと同時に、とんでもない呪物のようにも見えた。あの忌まわしい思い出を嫌でも鮮明に呼び起こされた。  そして僕は絶句した。僕の中の良心が、泣き出しそうだった。彼に全否定された僕が、壊した彼のちょうを捕まえ、自分のものとするなんて、許されることじゃないと思った。  今思い出しても、震えが止まらなくなることがある。  僕は大罪人であり、軽蔑されるべき悪漢であるという事実。あの模範少年からの言葉が頭によぎった。 『そうかそうか、つまりきみは…』  僕はヤママユガを見た。あの時と同じ美しさで、僕に何かを訴えている様に見えた。そして母の言葉を思い出した。 『おまえの持っている物のうちから、どれかをうめ合わせに…』  僕は床にへたり込んだ。償いの機会を得たのかもしれないという奇跡と、もう何もしたくないという願望が、僕の前に純然と立ち塞がった。  僕はまた、勇気を振り絞って母に相談した。母はしばらく考えて、悩んでいる様子だった。母が何を考えているのか、察することはできなかったが、やがて決意した様に言った。 「おまえは、自分で考えなくてはなりません」母はこちらを向かず、芯のある声で、言い聞かせる様に言った。「そして、エーミールに許して欲しいのなら何かをしなくてはなりません。何もしたくないのなら、何もしなくても良いでしょう。どちらにせよ、あなたの好きにしなさい」 
山川 滝海
山川 滝海
はじめまして!小説が好きなのでこのアプリをインストールしてみました! 初心者なので、文章は温かい目で見てください🙏