秘密主義の先は恋

秘密主義の先は恋
「あのさ、タケ」 「何?」 「好きな人っておる?」 私の心の中はざわめいていた。腐れ縁のタケこと雄彦と私は、ゴシップなどのこの手の話題は一度も会話ネタとして出さなかった。 しかし、私たちは現在中学二年生。この年頃だと誰であれ、恋沙汰が気になってしまうのは人間の性だろう。が、放課後の二人で帰る道中に今の今まで一歩も踏み込めず。喉元でずっと引っかかっては、結局聞けずに帰路に着く。の、繰り返し。 「なに、急に?」 悪戯っ子みたいに鼻で笑うタケ。私は咄嗟に怪しまれないように 「いや、別にタケってそういう人おるんかな〜?どうなんかな〜?って、思っただけやけど」 なんて見栄を張るような、誰にでも嘘をついているとバレてしまうような演技、台詞を打ってしまった。リュックのサイドポケットから取った水筒の水をごくっと喉に通した。 彼は、怪しむ素振りも勘づいた反応もまったく見せないまま
Sindy@山芋とろろ
Sindy@山芋とろろ
短編作者。恋愛物を書きます。 皆様の癒しになれるように。 事情がありましたが、無事に復帰しました。