理想のお母さん♂見つけました〜貴方と私だけの〜
ぬるま湯は放置すれば水になる、どんなに足していってもぬるま湯の温度は下がっていく。
お互い恋人がいる同士の、20歳を超えた異性同士の、二人っきりの部屋での食事。一緒に料理をしあって手が触れ合っても、固まる事もない。
ただ淡々と胃袋と、お互いの寂しさを埋めていく。
「草太くんは、大学院まで行くのかな。研究熱心なのは良い事だけど、綾ちゃんの寂しさにも気づいてあげて欲しいな」
「……そういえば知ってますか、草太がいた施設には美優さんが働いている事を。美優さんがいつも会っている友達が……草太だったりして」
食事中の話題にしては下世話すぎる内容に一瞬、山崎さんは凍りついた。持っていた箸が落ちそうになって、慌てた彼は味噌汁茶碗をひっくり返した。
彼のお手製の味噌汁が無惨に、彼のシャツとズボンを濡らした。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/2/16 8:14
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
綾紀イト
糸へんが多いペンネームです、心の奥で絡まった糸を解くために書き出しています。
どんなに評価が無くても、私は私の文章が好きです。自分の心を救うために書いています。