美人薄命、或いはそうではない。

美人薄命、という言葉を聞くと妙に納得してしまう。透明で、綺麗で、何より儚い。そんなイメージがその納得感を加速させる。 彼女もそのひとりだ。おまけにかなり生き急いでいる。日中は大学に通い、夜になればバーで他人に酒を注ぎ回る。たまの休日も趣味だというコスプレや、友人や僕との遊びに費やしている。 「あのさ、寝れてる?」 「え、うん。なんで?」 「ラインの返信とか朝から晩まで返ってくるし、ちゃんと寝れてるのかなって。」 「ちゃんと寝れてるよ。」 彼女からすれば素っ頓狂な質問だったに違いない。白い頬が大きく緩んだ。 それでも愚直に全てを正面から受け止める性格の彼女は無理をしてるように見えたし、人間関係の悩みを聞いたことも一度や二度じゃなかった。
リョウ
リョウ
文才なんてものはありません。でも書きたいんです