スターランナー①

「やれるな?」 父からのその一言を、今でも覚えている。 俺の名前を世界に広めたきっかけの言葉。 それでいて、俺という人の存在意義を無くしてしまった言葉。 俺はもう、この宇宙で、生きる意味がない。 ここには、“時”という感覚がない。 なので、今が何年か聞かれても答えられない。 でも、ここには、沢山の人の命がある。 生きている人の命。 死んでしまった人たちの命。 それらが、まるで、重力のようにここの人たちの背中に重くのしかかっている。
雲丹丸 音夜
雲丹丸 音夜
知識も、経験も、文章力も未熟な癖に小説家になりたいクズ MBTIは論理学者