ハンバーガー屋の矜持

ハンバーガー屋の矜持
 そこは某大手ハンバーガー店の開発会議室。 「なぜ、ウチの新商品は他社に売上で負けている。見た目も味も、レビューも業界トップなはずだぞ」  プロジェクターに映し出されたグラフを見て開発チーフが叫んだ。 「それがどうも、我が社の問題はセットのポテトにありそうです。これを見てください」  リサーチ担当が用意してあったデータに切り替えると、およそ感情が欠落したかのように、冷静に、順序よく、アンケート結果から分析した結果を述べて行く。  開発チーフは、そのひとつひとつに頷き、唸りを深めていった。 「つまり、だ。セットのくせして高い。ぼってる。さらに味もイマイチ。冷めたら食べられたもんじゃない、と」 「ええ。結果、セットで購入したい時間帯と層でのニーズが他社に流れています。ポテトは原価率では優秀ですから。他社はそこに力をいれ、我が社はそれを怠った、という結果でしょう」 「ふん。問題が明らかなら、解決するだけだろう。幸い美味いポテトを作れというなら開発担当である私の分野だ。任せておきたまえ。広告担当も次からの我が社は『ポテトが違う』と強調する方向で進めて欲しい。では、解散」  
鼻ぺちゃ
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物語と鼻のぺちゃい動物をこよなく愛しております。読んでくれたら嬉しいです。