人間になりそこなった僕たちに

 人間とはなんだろうかと、僕はよく思うことがある。  「お前ら人間じゃねえ」みたいな台詞があるように、人間とは助け合いとか、相手を思う気持ちとか、感心するような行いとか、教養、マナー、倫理みたいな、様々なモノを身に着けた高潔なヒトのこと指し、それらが欠落したヒトは人間じゃないんじゃないかと思った。  しかし、それとともに、人間の美しさには醜さも含まれているとも思う。欲望の末の破滅とか、貧困故の犯罪とか、絶望故の自殺とか。とても文学的で醜さこそ美しく、この醜さこそ人間らしいとも僕は思う。  最早これには答えなどなくて、だからこそ宗教とか思想とかがいくつもあるんじゃないかと思う。  どちらを信じるかは僕次第。 「ねえ、今何考えてるの」  セックスを終えて二人で同じベットで寝ていた。 「僕たちが人間かどうか」 「賢者タイムってことね」
イキャメル
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