荒廃したこの世界は今日も美しい・7
《ダロン視点:ハネネズミの巣・斜面》
砂地に埋まっていた黒いデバグロイドの中には、少女と思われる人間が一人静かに横たわっていた。天秤が警戒心よりも好奇心に傾いていたダロンの前で、人間が入っているカプセルの側面がチラリと光った。とうとうその扉が開くのである。
カプセルの内側と外側が僅かながらに繋がった瞬間、白煙のような気体が隙間からブワッと流れ出した。咄嗟に身を仰反る。
「うわっ。なんだこれ、煙?ってか冷た!」
驚いた事に、気体は足首の方に向かっては塵のように消えた。
「ま、まさか毒じゃねえだろうな⁉︎」
毒には良い思い出がない。かつて猛毒使いのデバグロイドと戦ったが、その時に喰らった毒のせいで討伐後三日は動けなかった。今でもトラウマである。
その時の毒も(もっと嫌な色だったが)、こんなふうに変な挙動をする流体だったのだ。
「ックソ、やっぱ攻撃手段あるじゃねえか!」
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2025/9/28 22:52
最終編集日時: 2025/9/28 22:55
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪
リハビリ感覚でたまに短編を投稿するかもです。
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。