恋変

 ぽつぽつと雨が振り始めていた。  みんなの間でも変わり者だと評判の彼に、私の方から付き合ってくださいと告白をした。  それは仲の良い友達数人と遊園地に行った帰り、ようやく二人きりになった駅でのことだ。 「君は恋をしたいと思っているだけなんだよ」  彼がそう言って、私の恋は終わった。  私は恋を終わらせようと思った。  やがて結婚が決まり、式の前日に彼に尋ねた。 「私のこと好き?」  彼は困ったような顔をして私から顔を逸らした。
べるきす
文芸短編小説をメインにアップしております。 なにかを感じ取っていただける作品を目指して^_^ もしかしたら対象年齢少し高めで、ライトではないかと思いますが、ご興味をお持ちいただけましたら幸いです☺️ 名刺がわりの作品としては「変愛」を。 もしご興味いただけましたら、少々長いですが「This Land is Your Land」を読んでいただければ幸いです。