(没作)天国への扉
「帰ってええぞ」
これは大仕事をしくじった後に組長から言われた一言だ。指を詰める覚悟で奴の前に立ったのに、これで終わり。
困惑した気持ちのまま出口へ向かっていると、後ろからぼそっと声が聞こえた。
「帰れるもんならやけど」
これで全てを察した。俺は帰り道に消される。
外に出た瞬間から気が気でなかった。車に轢かれるのか、通り魔に遭うのか、単純に撃たれるのか。
周りを見渡しながら、俺は早足で家へ向かう。仕事柄家のセキュリティはかなり手厚い為、入れさえすれば安全と言える。
俺は善人だ。人を傷つけたことすらない。引き受けてきた仕事はすべて合法であり、違法行為はしたことが無い。それなのに死ぬなんて、そんなのは嫌だ。
ついに辿りついた、俺が入れる唯一の安全地帯へと続く、楽園への扉に。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/10/28 8:53
ノラ戌
黒鼠シラのサブです。
アイディア掴むための、行き当たりばったりな小説投稿する予定です。
ちゃんとしたのは黒鼠シラのアカウントで