過去を売った女・終
春の陽気な光が窓から差して、一人の少女が目を覚ましました。
「あれ…私、何で泣いてるんだろ。」
少女は、手で涙を拭うと、直ぐに一階へ降りていきました。
「あら?目を覚ましたのね。ユシア、顔洗ってきなさい。少し遅いけれど、朝ご飯を用意しておいたから、一緒に食べましょう。」
「ありがとう、お母さん!」
母がテーブルにナフキンを敷きながら、少女ユシアに語りかけます。ユシアは、大変にお腹を空かしておりましたので、喜んで顔を洗いに行きました。しかし、顔を洗い終わるとふと、違和感を感じました。何かポッカリと穴が空いたような、不思議な感覚があったのです。何か足りない、そう思いました。
「いつもなら、この時間はマーティンがおはようって言ってくれるはずなんだけどなぁ。体調でも悪いのかしら。…あれ?マーティンって誰だっけ。私ってば、まだ寝ぼけてるわね。」
ユシアは、寝ぼけた顔をもう一度洗い直しました。まだ開きっぱなしの心の穴を放って置いて、ユシアは朝食を食べ始めます。しかし、それでも心の穴は、ユシアの心の中に妙な異物感を残しました。何だろう、何かが足りない…何が足りない?何かが無くなった?
「…マーティン。マーティンよ!マーティン・ウォールド・スミス。」
「ユシア?そのマーティンって子がどうかしたの?」
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文字数: 4356
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/7/23 0:17
最終編集日時: 2025/7/23 0:33
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!
※❤︎&コメはめちゃくちゃ喜びますので、私を喜ばせたい方は是非!
私の事が嫌いな方はオススメしません。