「罪と正義」

 ――その日、私のクラスで自殺者が出た。  唐突、だった。  教室に入るといつものように彼女の机には落書きがしてあり、「死ねや」「消えろ」と言った罵詈雑言が磨いても取れない油性ペンで殴り書きされていた。自然と目を逸らしてしまうその光景を不自然と感じれず。いや、感じていた。  だがそれを認識して、口を開き手を上げ異論を唱える勇気など私には到底無かったのだ。  自殺した。それはいつもより震えている唇から発せられた。
へいたろう
へいたろう
適当に小説を書いている高校生です。 よろしくお願いします。 あまり他の方の物を読みません。気が向いたら反応します。