第1章 中央都市国家・アヌタ敗戦

ーー年 中央都市国家・小国アヌタ敗戦ーー 明朝、暁の陽の光が大地を照らしはじめた頃だった。 まだ朝露に湿る国境付近の草原をダカダカと重厚な音で馬と共に駆けていく一兵がいた。 力強く蹴り上げられていくその地面からは、氷雪が陽の光を反射して噴煙のように巻き上がる。 また、燃えるような陽が空と海の間から這い出るように顔を徐々に覗かせ始めれば、赤く染まる兵も馬も地も堺などないに等しかった。
夜音。
よるの。