蝶を導く甘い蜜
疲れているあなたへ。
突然ごめんなさいね、君が疲れているように見えたの。だから特別に招待するわ。都合が良い時にこの手紙を持って目を瞑って“蝶よ導け”と念じて欲しいわ。胡散臭いけれど、信じて欲しいわ。−あなたの蝶より。
アンティークな便箋に、シーリングスタンプまでご丁寧に押してあった手紙をあなたは見つけた。
ストーカーかな?それとも宗教?普段こんなの破り捨ててしまうだろう。
だけどそれ以上にあなたは疲れていた。考える余地もなく、あなたはその手紙を持って、送り主の言う通りにした。
“蝶よ導け”
ぶわっと数え切れないほどの薄紫の蝶があなたの周りを包み込んだかと思うと、見知らぬ森に立っていたのだ。靴を履いていてもなおわかる苔の感触と香り。コンクリートジャングルで生きてきたあなたとは無縁の香り、音、木々たち。
あなたは困惑した。先程までの蝶はいない。辺りはだんだん暗くなってきた。ど、どうしよう…
0
閲覧数: 39
文字数: 2326
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2023/10/9 1:39
すみれ
紅茶が好きなFJKです
趣味はお昼寝と読書、ほっこりした小説が好きです。
更新速度遅めだと思います。仲良くしてくれたらすごく喜びます⸜🙌🏻⸝