いつか持っていたもの

 家族と、友達と、特別な人との記憶。  暗い空に点在する星みたいに輝く大切な瞬間を重ねてゆけば、いつか夜空を描けるようになると、本気で信じていた。  どれも、手の中には残っていない。  過ぎた時間は、今の私の物じゃないのに、辛い時に思い出すのは、いつもそれなんだ。
いずさや
いずさや
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