やさしい雨音

やさしい雨音
冬の寒さが和らいで過ごしやすくなった季節ももう終盤に差し掛かり、雨音の響く日が続いている。 傘を忘れてしまったあの子を私の傘の中に招き、お互いに肩を濡らしながら帰路に着く。 雨の優しく傘を叩く音が外の音をかき消して、 この世には私たち2人しかいないのだと錯覚してしまいそうになる。 私の恋を否定する誰かの声も、私以外に愛の言葉を囁く君の声も全部、このやさしい雨音にかき消されてしまえばいいのに。
狛狐
狛狐
文章書く習慣つけれるように頑張ります。