階段

 山の一角を開拓してできた配水池広場。  いつの間にか、緩やかな坂道が舗装され、脇道にはアジサイなどの植物も植えられていた。  今ではすっかり散策ロードになっている。  展望台を設置され、夏に打ち上げられる花火がよく見えるようになった。  天気がいい日は富士山も一望できる。  多くはないが桜の木も植えられており、レジャーシートを敷いて花見を楽しむ家族連れも増えた。  地元住民を中心に、配水池広場は小さな娯楽スポットして賑わいをみせるようになる。  そんな貯水池広場だが、広場として整地される前はただの山といっても過言ではなかった。  舗装される前の緩やかな坂道は古びた立ち入り禁止の看板が立てられており、南側の急勾配な地形の一角に、大人がすれ違えるかどうかという細い階段が物々しくそびえ立つのみ。  地上から数十メートルはあろうかという長い階段の頂上には、寂れた柵で施錠されていた。
木のうろ野すゞめ
木のうろ野すゞめ
活動レベルが落ちてしまって、睡眠にリソースを割いています。 現在の執筆の優先度「書く習慣」>「Novelee」となっております。 雰囲気小説を書く人。 毎週金〜日曜日の間になにかしら書きあげていきたいです。 2025/8/16〜 ※作品は全てフィクション ※無断転載、AI学習禁止