盲愛の踊り

学生は、誰もいない校内を跳ねながら歩いていた。 それは恍惚というのか、陶酔というのか、 とにかく、意識もはっきりしないで、嬉しさだけに 踊りのようなおかしな歩き方をしていたのである。 学生は、一種の狂人であろう。 彼は怠惰なくせに、ひとつのことに執着すると それからは、ずっとそれだけに身を注ぐ性分であった。 それは、恋愛だとか何だとかにも変わらない。
後川
後川
書きたいときに書くので、1,2ヶ月に2本程度しか書けません。フォローしてくださる方、ありがとうございます