魔の隠し物

魔の隠し物
「ふぅ。」  少し大きめの溜息を吐きながら、私、横田めぐみは買い物袋をテーブルに下ろす。  子供はいる。でも、独り立ち済み。夫も帰るのはいつも夜遅くなので、家に帰って話す相手も特にいない。  買った物をそれぞれ別の場所に片付け、夕飯の支度を早々に始める。  いつもはこんな早くに支度しないのだが、今日は久しぶりに時間が作れた。ここ1週間溜めていたドラマを消化できる。
紫月玖優
紫月玖優