嘘つきな彼の甘い罠

嘘つきな彼の甘い罠
「なあ、お前、俺の婚約者だったよな?」  そんな言葉で、朝の眠気は一気に吹き飛んだ。  目の前にいるのは、学園一のモテ男、御堂 怜士(みどう れいじ)。端正な顔立ちに加え、知性も運動神経も抜群で、女生徒の憧れの的だ。けれど、彼とは話したことすらほとんどないはず。 「……え?」  思考が追いつかない私をよそに、怜士はにっこりと微笑む。 「いや、おかしいな。だって俺たち、昨日まで婚約してたじゃん?」 「いやいやいや、してません!」 「嘘だろ? ひどいなあ。俺のこと捨てる気?」
青天目 翠
青天目 翠
なばため すい