欲しかったものは手が届かなくて

あなたの笑顔が見たかった。 いつも変わり映えのない世界を見るように退屈そうに窓の外を眺めているあなたの、 誰も見ていないところでも誰かのためにその手を止めないあなたの、 楽しそうに笑うその顔が見たかった。 そのためなら俺はどんなふうにだってなれるつもりだった。 言われたことに従う犬がいればあなたの笑顔が見れると言うなら犬になった。 でもあなたはそんなことを言わない人だから 俺は道化を演じた。 あなたの前では普段以上に馬鹿みたいにふざけて、明確にツッコミのいれやすいボケをして、大袈裟なリアクションをして、そうして見えたあなたの笑顔はやっぱり綺麗だった。
鬼ウサギ
鬼ウサギ
結構ファンタジー系の方面に寄った作品が多くなると思います。それと、かなり不定期に書くので全然上がらないことが多々あります。こんなのでも良ければ見ていってください!