塵は塵に 後編①

自分は何者か。そう問われても「いたって普通の人間です」とそう答えることしか出来ない。秀でた才能なんぞ持っていないし、誰かから敬われるような人格者でもない。むしろ“平凡”からも幾分か劣るような人間だった。 思えば、私の人生は惨めなものだった。生まれた頃からずっと両親に蔑まれて生きてきた。小さい頃から愚鈍で愚図な私にはちっとも愛情を注がずに、一方で優秀な兄をひたすらに褒めちぎった。私が少しでもヘマをすれば、親は冷たく蔑むような視線を浴びせた。 学生時代の頃は友人関係なんぞ皆無に等しかった。ただ椅子に座って机とずっと対面しているような人間だった。昼休みになると、くだらない話に花を咲かせるクラスメイト達を横目に図書室へ向かい、ずっと本にかじりついていた。誰とも関わりを持たず、ただ独りで過ごしていたせいか、誰も気味悪がって私に近づこうとしなかった。 何も考えず、気楽に気ままに浮かんでいる月が恨めしくなって、キッと睨みつける。 私は人間が嫌いだった。人間は自分以外の人間との関係を結ばなければ、生きていくことが出来ない。だから、常に人間という生き物は集団を形成し、そこに自分を押し込める。集団の中に自分がいることで、自分は誰かから、関係を持ち、関心を持ち、信用され、信頼され、尊敬され、尊重され、愛される。少なくとも、自分の居場所というものを、その集団の中で獲得する。そうすることで、人間は幸福を甘受する。 そして、集団というシステムにはとある特徴……いや、欠点が存在する。それは、自分達とは違う存在を排除することだ。 幼い頃、私は精神科に通い、こう診断された。 “アスペルガー症候群”と
高野豆腐
高野豆腐
優しくしてちょんまげ(○ٹ○) 小説とかノウハウ無しに感覚で書いてるから、 見るに耐えない可能性が微レ存。 未熟者なので、多目に見てやってくださるとありがたいです。<(_ _)> ちなみに更新おそおそ人間なので、どうかご承知を。 あとハートとかコメントをしてくれると嬉しすぎて月までぶっ飛んで、月面に星条旗の旗立てちゃうので気軽にドシドシください。          /⌒ヽ    ⊂二二二( ^ω^)二⊃         |    /       ブーン          ( ヽノ          ノ>ノ      三  レレ