百花繚乱

百花繚乱
僕はここに囚われている。 鼻腔をくすぐる甘く優しい香りの数々。 風に揺れるは色とりどりの色彩達。 宙を舞うその一つ一つが、青い空を彩っている。 青い、青い空。 それをだらりと見つめているのが、何を隠そう僕なのだ。 大の字に開かれた全身は、この心地よい空間に身を預けた証拠でもあり、何より、それ以上の諦めが、僕をそうさせるに至っている。 とはいえ、一歩足を踏み出せば、どの子も皆道を開くだろう。 だからこそ、僕はその一歩を踏み出せない。 茎をへにゃりと折り畳み、その生命を代償に、僕を先へと導くのだ。
じゃらねっこ
じゃらねっこ
ねこじゃらしが好きなので、じゃらねっこです。