僕の夏空

深い深い青。人に何色かと聞かれたなら僕は青春色以外にいい表す言葉を思いつかないだろう。 少しだけ開いた窓からはうだるような暑さが教室に入り込んでくる。教師の声、少しだけ遅れた授業内容。もうすぐ夏休みか、そんな考えを横目に窓の外を眺める。大きな大きな雲が青に浮かんでいる。何故だろう。何故。夏の雲はこんなにも綺麗なんだろう。大人になったらいつか思い出せなくなるんだろうか。そんなことをたまに思うと大人になるのが怖くなる。僕はこのまま青春らしいことをひとつもせずに大人になるのだろうか。 窓の外の大きな雲。その手前に細い線が入っている。その線はぐにゃぐにゃと不規則に存在し、その右の方はもう消えかかっていた。僕もいつかはこうなるんだろうか。そう思い窓から目を離す。 まもなく授業をちゃんと聞けと叩かれた。
てまきまき
はじめまして