月影ノ誓 十二
第三章:鬼哭ノ断章
第一節:器鳴(うつわなり)
──秋雨が、静かに地を濡らしていた。
木々の葉を打つ細かな滴が、まるで誰かの吐息のように、空から降り続けている。
一行は、北へ向かう街道を外れ、小高い山のふもとにある村──茂守(もしゅ)村へと足を踏み入れた。
「……妙だな。気配が、立ってない」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/8/5 23:10
まき
noteにて創作過程をUP中
https://note.com/dear_lupine5734