その音楽はきっと、これからもずっと。
美しい和音がゆったりとしたテンポに揺られるそれは、似つかわしくなくも帰宅を促す我が町の音楽だ。
幼い頃から公園で遊ぶことが大好きだった。そんな私は、その音楽が流れたら自然に足が家に向かって動き出すまでになっていた。
ブランコをキィと鳴らして、その音楽を背に家の方角へと目を向ける。私の未来を否定してきた人の場所になんて行きたくない。
美術について学ぶことの出来る偏差値、就職率の低い学校。そこを受験することに反対意見を述べるのは、私のことなんて想ってくれていない。
なんてそんなことないのはわかってる。本当は、私より私の将来を見据えて考えてくれているのはわかってる。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2023/7/22 16:18
颯兎ちり
早とちりな学生。不定期です。