【超短編小説】「ピーッ」

 テレビを観ていたら、台所から、ピーッ、と音がした。 「ご飯が炊けました」  炊飯器の機械音声が聞こえた。んー、ご飯炊けたか、と思いながらテレビのリモコンを手に取ると、お風呂場から、ピーッ、と音がした。 「お風呂が沸きました」  ご飯とお風呂と、どっちにしようかな、と思っていると、テレビのレコーダーから、ピーッ、と音がした。 「録画を開始しました」  んー、じゃあ、とりあえずお風呂かな、と思って立ち上がると、裏庭の方から、ピーッ、と音がした。 「お義母様を殺しました」  殺人機の音声が聞こえた。  んー、じゃあ、先に祝杯かな。
六井 象
六井 象
短いものを書いています