波打ち際

砂浜にはずっと、波が押し寄せていた。 砂を崩しては埋めて、何回も何回もやっていた。 海には、まったく人も船もいなかった。 東京の学生は、この海の近い家へ帰っていた。 学生は大抵、この場所で休みの大半を過ごすのだ。 昔はこの場所もよく栄えていたが、 今は港の網も朽ち果てて、道も散々荒れていた。 学生の家から海へ行く道には、 そんな、脇から高い草が覆いかぶさって、
後川
後川
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