空の下から愛し子へ

空の下から愛し子へ
海、船、カラフルな色の飴ちゃん、地面の落書き、ちっちゃな容器に入った口紅。そういやおはぎも好きやったね、懐かしい。 薄桃色の着物でお洒落して、ちょんちょんと飛び跳ねながら見せびらかすんが可愛かった。 あんたほどのべっぴんさんはなかなかおらんかったなあ。贔屓目やないよ?都会の洗練されたんとは全然違うけども、あんたの可愛さは皆の笑みが零れるほどやったよ。 わたしらはいまやっと落ち着いた頃やよ。沢山泣いて泣いて哀しんで、でもそれぞれがみんな、お互いに見せなかったね。今までのはなんやったんやろうって皆思ってるんは伝わったけどね。ちょっとずつちょっとずつ、ずぅっと前の優しい頃をまた始めようとしてるよ。 まるで一度全部割り散らかしたガラスの破片を、いっこいっこ集めてる感じだよ。 いなくなっちゃった破片もあるけど、それはもう仕方がない事やよね。その破片が大事な大事なものやったことには変わらないんやけどね。 ツギハギも欠落が少々目立っても、集められるだけ集めて、ぎゅってしてれば、ね。優しい頃に近づける。 そっちはどうだい?穏やかに暮らせてるかい?
菫
執筆初心者です。