息をする、白

息をする、白
正午から始まった秋山さんの取材は、十四時を過ぎたあたりで一旦区切りがついた。  待ち合わせ場所だったダイニングカフェは、僕たちの他に客はいなかた。遅め昼食を摂っていると、変に食器とスプーンがぶつかる音が耳に障った。 「……さっき、ウェブライターとおっしゃってましたが、普通の記者とは違うのでしょうか」   秋山さんは最後の一口だったパエリアを飲み込むと、「よく訊かれるんですよ」と、一呼吸置いた。 「磯辺さんの言う記者というのは会社に勤めているライターのことですよ。わたしの場合は、インターネットで個人的に記事を書いて広告収入を得たり、出版社と契約して雑誌の記事を書かせてもらったりって感じですかね」
久々原仁介
久々原仁介
ただ、僕を見てくれ。 この弱い、僕を