貴方へ伝えたいこと

貴方へ伝えたいこと
「食べてみたい」と貴方が言ったから、朝から煮込んだビーフシチューを無言で食べられた。「時間をかけて煮込んだの」と言えば「あぁ。どうりで…」と答える。どうりで。の続きは待っても出てこなかった。 美味しかったのか、いまいちだったのか。何も分からない。 「美味しかった?」自信なく聞いた言葉は小さかったのか、テレビの笑い声に消されてそのまま。 畳まれていない洗濯物。作れなかった晩御飯。 仕事で疲れて帰ってきた貴方が見るのはソファで昼寝をする私。 悪阻が酷くて、体調も精神的にも弱っていた私に「妊娠は病気じゃないんだから」と貴方は言った。 甘えていた私が悪かったのだと、無理して動いていたら「妊婦だって自覚しろよ」と怒られた。 貴方は私がどんなに辛いか分からないのに、その場その場で違う事を言う。
腹黒兎
腹黒兎
小説家になろう でも執筆中。 のんびりマイペースでやらせてもらいます。